ハ-001 チェスト

素材:チェリー(無垢、突板)
塗装:オイル

マエ<<
>>ツギ

フリーハンドイマイさんからの製作依頼です。 天板、前板、框扉に無垢材を使用し、本体は突板で作製しています。 サイズはW:950 D:570 H:1100と、製作している家具の中では少し小さい部類に入りますが、扉や前板がインセットだったり、配線のために後ろの部分が少々複雑になっていたりと手の込んだつくりになっています。それぞれの部材の奥行きが少しづつ違うのでくみ上げるときには気を使いました。左側の引き出しには仕切り板が入っていて、しまうものを細かく分類できる仕組みになっています。前板は横に目を通し、下側の引き出しは一丁取りをしているので目がつながっています。同様に側板(箱の両側の板)も上下で分割しているのですが、目が通るように一丁取りしています。 扉は框組みで縦部材と横部材の接合の仕口は違い胴付きというものです。 この仕口は框組みでは一般的な仕口ですが、前から見ても後ろから見ても接合面が直線で通るようになるので見た目もきれいです。私個人としては、上から見える接合の形も好きなので框組みの場合ほとんどこの仕口を使用しています。 また、扉や引き出しの前板には取っ手やつまみを使わずにそれ自体に欠き込みを入れ、手掛けにしています。そうすることで余計な出っ張りを作らずに、シンプルでスマートな印象になります。 塗装の種類はオイルフィニッシュで色はナチュラルです。 1回目を塗ったら1日置いて目の細かいサンドペーパーで磨きます。 その後2回目、3回目と塗り重ねて仕上げていきます。 オイルフィニッシュは塗膜が薄く木本来のぬくもりを残したまま仕上げるので、温かみのある家具に仕上がります。また、経年変化で少しずつ色が深くなじんでいくのも楽しみな仕上げです。 チェリーはやや赤みのあるいい色に仕上がります。今回もいい色に仕上がりました。